豊橋中央高等学校では朝の10分間の時間に全校で読書をしています。通称「朝読の時間」です。この時間、校長も本を読んでいます。
朝読の時間にコツコツ読み進め、最近読み終えたのが、「弱者の戦略」(新潮社)です。静岡大学大学院農学研究科の稲垣栄洋教授が書いた本です。

「弱肉強食」という言葉を聞いたことがあると思います。「自然淘汰」という言葉はどうでしょうか。自然界では、強い者が生き残り、弱い者が滅びていくということです。
「弱者の戦略」は、その漠然とした理解をひっくり返してくれる本でした。もし強者だけが生き残るなら、弱者の遺伝子は淘汰され、現在は強者しか存在しないはずです。しかし、いつまで経っても弱者は存在します。ということは、弱者も生き残っているということになります。
そもそも、現在絶滅危惧種とされている動物の多くは、食物連鎖の最上位にいる「強者」になります。ライオンが一番分かりやすい例です。強いはずの動物がなぜ絶滅の危機に瀕しているのでしょうか。実は「弱者」とされている者の方が強いということはないでしょうか。
最近読んだ本の中でもっとも目から鱗が落ちた本でした。図書館に蔵書してありますので、興味がある人は借りて読んでみてください。