豊橋中央高等学校では、頻繁に「ESD」「SDGs」という言葉を耳にします。ユネスコスクールについて説明する前に、まずは「ESD」と「SDGs」について知りましょう。
ESDとSDGs
ESDとは、持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)の略です。持続可能な開発とは、環境に配慮した発展のことで、ESDはそのための教育となります。環境問題は、貧困問題、異文化理解問題、人権問題、エネルギー問題など、人類が抱える様々な問題と連動しており、その根本的な解決のためには、教育から変えて行く必要があるとの認識から、ESDは始まりました。ESDは21世紀型学習のひとつと考えられており、今後ますます世界の教育の中で重要なキーワードとなって行くでしょう。
ESDと似た言葉にSDGsがあります。これは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略で、2030年までに世界が達成すべき17の具体的な目標です。豊橋中央高等学校では、全ての活動をSDGsと結びつけ、地球的な課題に地域から取り組む「グローカル」な教育を行っています。
ユネスコスクール
ユネスコスクールは1953年に、ユネスコ憲章に示された理念を実践する学校として発足しました。1945年11月16日に制定されたユネスコ憲章の前文には、以下の文言が謳われています。
戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
ユネスコスクールの理念は以下の3つです。
- 質の高い教育を実践し、普及させる。
- 人材養成、平和、正義を追求する。
- 世界中の青少年の教育ニーズに対応する。
また、ユネスコスクールの4つの基本分野は以下の通りです。
- 地球規模の問題に対する国連システムの理解
- 人権、民主主義の理解と促進
- 異文化理解
- 環境教育
元々、識字率の向上、義務教育の普及、世界遺産の保護などの業務を受け持っていたユネスコが新たにESD推進の担当機関となったことで、ユネスコスクールが各地域のESD推進拠点としての役割を担うことになりました。
2022年4月に文部科学省が発行した「ユネスコスクールガイドブック」もご参照ください。
豊橋中央高等学校とユネスコスクール
豊橋中央高等学校は、建学の精神である「和」とユネスコ憲章やESDの理念は共通していると考えます。ユネスコスクールの精神を基調として、人と社会と環境の和・輪・環を重んじ、地球的視野に立って身近なところから取り組む、持続可能な社会づくりの担い手育成を目指します。
豊橋中央高等学校は、2015年1月22日に、東三河の高校としては初めてとなる、ユネスコスクール加盟を果たしました。
毎週金曜日の朝の10分間の時間を使って全校でSDGsについて考えるワールドフライデーを実施している他、SDGsを意識して各学校行事や課外活動を実施しています。
豊橋中央高等学校は、長年取り組んで来たリアカーボランティアの活動が認められ、2021愛知環境賞の中日新聞社賞を受賞しました。
SDGsパスポート
豊橋中央高等学校は、公益社団法人日本ユネスコ協会連盟の発行するSDGsパスポートを全校生徒に配布しています。
SDGsパスポートは、高校在学中3年間有効です。参加したボランティア活動の時間や質に従って、ボランティアポイント(ボラン)が付与されます。
30ボランに達した人には、日本ユネスコ協会連盟から「ボランティア活動認定証」が授与されます。
SDGsパスポートについてさらに詳しく知りたい方はこちらへ。